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本ブログのアクセス統計: 60万アクセスを達成しました。ご訪問ありがとうございました。

60万アクセスまでの経過

2009年12月に始めた本blog。2011年7月ごろに10万アクセスを達成し、2011年12月13日には15万アクセスを達成。
その後、私も更新しておらず、アクセスは少し減りましたが、3月1日には18万アクセス。2012/4/18に20万アクセス、2012/8/21に25万アクセス、2013/1/18に30万アクセス、2013/12/17に40万アクセスを達成しました。しばらく見ていなかったら、2015/5/1に50万2584アクセスになっていました。またまた、しばらく更新しないうちに、2017/6/11に60万7197アクセスになっていました。2018/7/7 .. おお七夕 .. には63万0656アクセスになっていました。久しぶりに更新しました。

2012年2月17日金曜日

MacのKey noteには感動した

Macのプレゼン作成ツールである、key noteは直ぐに慣れるし、使いやすい。

helpが感動的)
1) keywordをいれるとtoolメニューにある該当する項目がtopに出る。ほぼ欲しいものがTopに
2) 項目にマウスカーソルをもっていくと、Key note側のメニューが開き、その項目が付箋のように矢印でポイントされる
3) そのメニューがそのまま実行できる



色の設定も画期的) 
カラーパレットというwindowが表示されている。そこから色をドラッグして、文字や図形に落とすと色が設定できる。文字をダブルクリックすると、単語(文節)が選択され、この状態でパレットを叩けば、それでも色が変わる。
直感的で大変簡単。ただし、標準では、図形は塗りつぶし、文字は文字色変更になってしまう。線の色を変えたければ、線を選んで出るパレットに、カラーパレットから色をドロップする。
絵画でパレットに色を調合しておいて、それで塗っていくものの類推。調合したパレットも保存しておけるしApple, Crayon等いくつか用意されている。


気づいてみれば、当たり前のことが当たり前にできているだけだが、他社のプレゼン作成ツールを使っていると、使いにくいのが、当たり前だと思ってしまっている。
観察力と想像力の欠如である。

そのほか)
  • ドラッグアンドドロップで、図を貼り込める
  •  文字や図を移動するときに自動的に基準線がでて、所定位置に近づくと吸引されるような感じで位置合わせが簡単にできる。(これは、建築CADでは普通に使われている手法)グリッドに合わせるよりも、自由度が高く、精度も高い。一方で、揃っていて欲しいものは、綺麗に揃う

そのうち気づいたら追加しておく。

MacのMail)
Mailも旧JISではなく、UTF-8(件名がquoted printable, 本文がbase64) で、読めないメイラが続出。だがこの方針には、意味がある。
  1. 世の中のOSは、UTF-8が、ほぼ標準化しつつある。UTF-8であれば、エンコーディングを指定しなくても、どこの言語でも、混在できる。UTF-8は、byte順に依存せず、世界統一コード体系であるUnicodeのメリットが得られ、また、EUCなどのようにbyte単位で比較ができるようにしたコード体系である。
    Unicode) http://ja.wikipedia.org/wiki/Unicode
    UTF-8) http://ja.wikipedia.org/wiki/UTF-8
  2. 件名がQuoted Printableなので、MIME非対応のメイラでも、英文の件名であれば読める。ただし、コード化の効率が悪い。
  3. 本文は、効率をあげないとならないので、base64である。
メイルの基準であるRFCコンプライアント(準拠) ではあるが、特に2, 3の組み合わせにより、読めないメイラやwebメイルなどが続出している。Outlook expressなどである。

また、行の自動折り返しも無くなくなった。送り側で行を折り返すと、行幅の狭いiPhone, iPadで読みにくいからだと思われる。つまり。

AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC

と送り側で1つの段落を折り返して送った場合、行の短い端末でこれを読むと。

AAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAA
BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
BBBBBBBBBBBBBBBBB
CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC
CCCCC


となって読みにくいからである。

全部1行のまま送れば。

AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
BBBBBBBBBBCCCCCCCCCCCC
CCCCCCCCCCCCCC

と素直に読める。実はi-mode mailは昔から、送り側では折り返さずに送っている。

だが、受信側のメイラが対応していないと、1行が長いメイルはまともに読めない。
また、返信したとき引用符がはいって、行がおかしくなったりする。

行を折り返さず送ったメイルに返信しようとすると、行の頭に引用符が着くだけである。
MacのMailがどうしているかというと、それを受けて表示するときに、折り返した上に、先頭に引用符が着くように、変換を書けている。。これなら、

>  > AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
>  > AAAA
>  > BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
> > BBBB
みたいな、引用記号と折り返しで、引用部が乱れることはない。

iPad (iOS)のメイラ)
一方、iOS5.0.1では、以下のようになっており統一性がない。
  1. 行は折り返さない。
  2. 件名は、Mime EncodingのISO-2022JP (新JIS) - 従来の形式
  3. 本文はISO-2022JP (新JIS) - 従来の形式
  4. だが、時にQuoted PrintableのHTML部分が着くこともある


MacのMailでは、本文の圧縮度を上げるためにbase64にしているのに、上記の3は統一性がない。Appleといえど、まだまだ、不統一なことをやっており、部門の壁は残っているのであろう。

2012年2月12日日曜日

リーダの条件(再掲)

Google e-bloggerが障害を起こして記事が消えたようなので、検索のcacheから拾ってきて、再掲する。元の記事が復活しても、これをmain-trankと考え、これを書き換えていく。

以下の元記事にHTMLをコピーして復活できたので、やはり、そちらを更新していく。しつれいしました。

2012年2月2日木曜日: リーダの条件



2012年2月11日土曜日

コンピュータが知性を持つのは近いか..

去る2012年1月14日の第一回電王戦(日本将棋連盟、 ドワンゴ、中央公論新社主催)で、コンピュータ将棋 ボンクラーズが、元名人で日本将棋連盟会長の米長邦雄永世棋聖に平手で対戦した。7時間におよぶ激戦の上、コンピュータが勝った。webでも話題になり、記事が沢山掲載され、いろいろ議論がある。

電王戦)  http://blog.livedoor.jp/ibuki_commercial/archives/2161485.html には、以下のようにある。
米長会長は詰将棋を解くなどのトレーニングを積み、ボンクラーズと何度も対戦して 対策を立てて臨んだが、及ばなかった。昨年12月の前哨戦でも、ボンクラーズに インターネット上の早指し対局で敗れている。現役の棋士はこれまで、公の場で 将棋ソフトに負けたことはない。棋士とは別の「女流棋士」のトップクラスは昨年、 ソフトに敗れた。
電王戦は、近年急速に伸びている将棋ソフトの実力を試すために企画された。 ボンクラーズは昨年5月のコンピュータ将棋選手権で優勝。第2回電王戦は来年1月、 現役棋士の船江恒平四段と将棋ソフトの代表が対局する。
そこで、なるべく先入観なく、この背景にある人間と機械の情報処理の違いを分析して、コンピュータと知性について考えてみたい。

ちなみに私は、テレビの将棋番組は好きであるが、将棋は全く弱い。囲碁は、ルールや簡単な定跡は分かるが、プロの対戦を見ても、どちらが優勢かすら分からない局面が多い。そういう将棋素人の分析なので、間違いがあればご指摘願いたい。

対局の詳しい説明) http://bit.ly/yhZ0i NHKでも放映された模様であるし、NHKオンラインでの視聴も可能らしい。

こういうことである。
  1. コンピュータの指し手を分析し、未知の指し手で攪乱させようと、永世棋聖が作戦を立てて臨んだ。その結果でたのは、初手を受けての「後手 米長永世棋聖 『6二玉』」。前代未聞の指し手。そのあと、序盤から入玉を狙っていく。永世棋聖は、「(コンピュータは、あえて)最善でないことをやりますからね。はめ手とか奇をてらうとか、って受けとられることもありますけどね。手がいくつもある局面に導く問題を複雑化するということですね」と、お見事な分析
  2. この作戦が功を奏し、序盤は、ボンクラーズが攪乱される
  3. 対局が始まって2時間。ここでボンクラーズは奇妙な動きを見せ始めた。攻撃の要である飛車を右や左に動かすだけ。米長 邦雄永世棋聖「あれは単に行ったり来たりしているというよりも(ボンクラーズは)、私が襲いかかるのを待ってカウンターパンチを狙っているという指し方だったんですね。きわめて実践的な指し方で、私が挑発に乗ってくるのを待っていたということですね」
  4. 42手目、ボンクラーズは永世棋聖の指し手を6四銀と予測する。その後も永世棋聖の指し手を正確に予測
  5. 永世棋聖は72手目。遠くの金を玉に引き寄せた。これが勝負の流れを変えた。金を動かしたことで角の道が閉ざされ、守りに使えなくなった瞬間をついたとプロ棋士は指摘する
  6. 7時間に及ぶ対局。ついにコンピューターが元名人を打ち負かした
米長 邦雄永世棋聖: 「(ボンクラーズは)私が間違うのをジーッと手待ちしているわけですよね そういう点では(『昭和の大名人』と言われた)大山康晴と指したという感じ」

棋士 船江 恒平四段: 「(ボンクラーズが)非常に圧巻というか、本当にぜんぜん悪いところがひとつもなかった」

3に関しては、冒頭のリンクには、こうある。
不利な局面でも、じっとチャンスを待つボンクラーズ。
そこには人間の知性に近づこうとするコンピューターの技術革新がありました。それは人間の思考に近づける画期的なプログラム、機械学習です。
ボンクラーズにはプロの対局を中心に江戸時代から現在までの5万局に及ぶ対局データが入力されています。
ボンクラーズは、これらのデータを単に記憶するのではありません。
プロ棋士が、どんな手を指したときに有利になったのかを膨大なデータから分析し優れた指し方の原則を見つけ出します。
その原則を高い計算能力を武器にみずから次々と増やし、未知の局面でも応用できる能力を身につけました。
いわばコンピューターが自分で学習するのです。
wikiから)
ボンクラーズ: http://bit.ly/yVTOXt
ボンクラーズは、コンピュータ将棋選手権で優勝経験のある将棋プログラム「Bonanza」(ボナンザ)をベースとし、6台のサーバを並列処理させる(クラスタ)ことで、高速演算を可能としている。「ボンクラーズ」という名称は、「ボナンザ」と「クラスタ」を組み合わせて名付けられた。
ボンクラーズは、富士通研所属の伊藤英紀 氏が開発し2010年に大会に初登場してから、富士通の人たちの協力も得つつ改良を続けてきたらしい。
 http://nikkan-spa.jp/129925
 http://bit.ly/yVTOXt
開発者 伊藤英紀氏のblogはこちら http://aleag.cocolog-nifty.com/blog/
ボナンザ (Bonanza)  フリーソフト: http://ja.wikipedia.org/wiki/Bonanza
2005年6月にver.1.0が公開。その棋力の高さは公開直後から渡辺明がブログで「プロが平手で餌食になった」「奨励会有段者クラスがコロコロ負けているらしい」とたびたび話題にし、渡辺自身も「10秒将棋だと10回に1、2回はやられる」と告白した[4]。また、コンピュータらしくない人間らしい自然な手を指すとの評が確立した。
メジャーアップデートされたver.2.0は2006年5月に行われた第16回世界コンピュータ将棋選手権大会にBonanzaとして初出場し、初優勝という鮮烈なデビューを飾る。既に草創期を脱し強豪ソフトが固定化されてきた中の初出場初優勝、ノートパソコンでの優勝、フリーウェアの優勝という三重の「初づくし」は、コンピュータ将棋界に巨大な衝撃を与えた。 作者は公開当時カナダ在住だった日本人の化学者保木邦仁。作成当時は将棋についてはほとんど知らないことも話題となった。後に発行した本では、自らの棋力を「11級」と評した
(中略)
 チェスがベースであるため[11]、開発当初は終盤の詰将棋のルーチンが搭載されておらず、詰める状況でも相手の駒をとり続けていた。2007年の世界コンピュータ将棋選手権からは、3手詰めのルーチンが搭載された。他のソフトでは最初から詰将棋専用のルーチンを用意しており、後で組み込んだBonanzaが特殊である。
(中略)
これは保木の本業である化学反応の制御理論を応用したものである(26ページ)。保木自身の棋力ではコンピュータを強くする設定を行うことができず、既存の機械学習で成果を上げたプログラムがなかったため、制御理論をもとに自作することにしたという。
(中略 )
ソースコードは公開されているものの、営利目的での利用が禁止されているなど制限があるため、Open Source Initiative の定めるオープンソースでもなければ、フリーソフトウェアでもない。
このソースコードの公開・共有という思想が、この分野の進化を早めたと考えている。ここにも注目したい。

また、チェスで人間を負かした、IBMのディープ・ブル=は、かなり大きいが、ボンクラーズは上記写真のように、ちょっと大きいが、持ち運べるサイズである。
冒頭のリンクには、
ディープ・ブルーは考えうるすべての手を読み進め、未来の局面に点数をつけて評価。
その中で、最も点数が高い局面につながる次の一手を選んでいました。
いわば、計算能力の高さにものを言わせ力ずくで人間をねじ伏せたのです。
しかし、この方法は将棋では通用せずプロ棋士の足元にも及びませんでした。
将棋の盤はチェスよりも広くさらに敵から奪った駒を自分の駒として使えます。そのため、考えられる局面が圧倒的に多いのです。
その数はチェスが10の120乗。
これに対して将棋は桁が100個も多い10の220乗の局面が存在します。
その奥深さから81マスの宇宙といわれる将棋。
スーパーコンピューターでもすべての局面を読み切ることは不可能なのです。
とある。これがこのサイズのコンピュータで、できてしまった。以下で述べる処理手法の革新がここにあった。

知性とは)
一般的に、知性とは他の動物と人間を違わせるもの。すなわち人間らしさと言われている。もちろん、将棋が強いことを、知性とは定義しない。

知性1) システム論:  http://bit.ly/wdY7Q4  の冒頭にある説明である。

もうすこし具体的に考えると様々な解釈に分かれてくる。動物と人間の違いは、沢山あるからである。

知性2) コトバンク:  http://bit.ly/xUMSLM
  1. 物事を知り、考え、判断する能力。人間の、知的作用を営む能力。
  2. 比較・抽象・概念化・判断・推理などの機能によって、感覚的所与を認識にまでつくりあげる精神的能力。
知性3) Yahoo知恵袋: http://bit.ly/wEulAk
「知識」は事実を知る蓄積です。「知性」は理論や応用です。
たとえば、石から機械が創れる事を知るプロセスが「知識」それをどのように創り、利用するのかが「知性」だと考えます。
知性4) 前頭連合野: http://brain-science.jp/brain02.index.html

知性2と知性3の2つでも、すでに認識が若干分かれている。以下のようになるであろうか。コトバンクの定義は、定義がループしている。辞書によくあるパターンである。認識とは何かが定義されていない。が、認識を引くと、「物事は何か」を知ることとある。この定義を使う。
  1. 認識し知識に変換する能力  (コトバンクの定義)
  2. 知識を利用する能力 (Yahoo知恵袋の定義) - これは曖昧
  3. 衝動に動かされず、5感から集まってきた情報を整理・統合・理解し、様々な価値判断や意思決定をし、順序よく段取りを取って物事を遂行し、人間らしい社会生活を営む能力 (前頭連合野の説明から要約) - これも概念が広すぎるので以下に変換する
  4. 衝動に動かされず行動する能力
  5. 段取りを取って物事を遂行する能力
  6. 発想し、新たな社会・技術を創造する能力 (私の定義)
  7. 人間関係のネットワークを創発させる能力。人間らしい心、すなわち、時として、目的の為に自己犠牲を払うような決断をする能力。 (システム論の定義, 3にも含まれている) 「相手の気持ちを推しはかって考える」、これを、対集団に広げた「空気を読む」能力もこれに含まれる。
以下では、1, 4あたりの能力をまとめ、点の思考ないしは、「局面に対策する知性」(定義は後述)と考え、6の能力を「創造する知性」と考えて区別したい。私は、文化、文明を創造してきた能力こそ、動物と人間を最大に区別する人間らしさ、知性だと考えている。

システム論には、知性の発生要因、ネアンデルタール人(ホモ・ハビリス)と現代人(ホモ・サピエンス・サピエンス)の差について述べられている。道具の利用、言語能力などを例にとって比較している。これらを持っていた、ネアンデルタール人が現代人になぜ滅ぼされたのか。。それは、発達した前頭連合野(いわゆる前頭葉を含む部分)にあるとし、その顕著な能力が、7の人間社会の人間のネットワークを作る能力だとしている。

その点では、企業内で経営者と現場がいがみ合い、政治と国民が意思疎通できず、国際社会で国同士が敵対しあっている状況では、人間に知性があるとは言えないかも知れない。
ただし、犬でも主人に奉仕したり、自己犠牲的な行動を取るように思う。犬の方が人間より知性が高いとなっては困る。。。(少々脱線しました。。orz...)

(この章は、Facebookに投稿して、得られたコメントに従い2012/2/12に追記した。対話(議論)は重要である。SNS(Social Network Service)の利用価値は高い。)

背景の解説)
冒頭に触れた http://bit.ly/yhZ0i3 にある専門家 電気通信大学 伊藤先生のコメントが、非常に的確な指摘だと思う。
  • 人間は、分析して、作戦を練って臨む - ある意味、線で考える
    • 膨大な経験に基づいて自然と表れるような知識というものを大局観と呼ぶ
  • コンピュータは、いまだに局面を分析する点の思考
    • 実は人間はいろんなたくさんの評価項目を持っているわけで、それを全部機械に教えるというのは、非常に難しいが、それを非常にうまい形で調整して、プロに近いような局面、評価ができるような知識を身につけることができた
絵にしてみるとこういうことになる。青丸が自分の局面。左から右へ進むとする。
知性とは線の思考が最低限必要では

線の思考は、将棋の例でいえば、「こういう筋書きで攻めてやろう」対して、「相手は、こういう事を考えているんだな。裏をかいてやろう」である。社会生活での「空気を読む」能力もこれに近いかも知れない。

点の思考でも、知性的な動作ともいえる。「局面に対策する知性」である。人間でも点の思考=現状分析をして、臨機応変な対応をするのは相当大変である。今の分析方式を応用するだけでも、十分に役に立つ。医療診断、事故診断など、ある程度のレベルにある専門家なら簡単に凌駕しそうである。

だが本当の知性「創造する知性」にするには、線の思考にもっていく必要があると思う。
もちろん、もっと足らない部分があるかもしれない。新発想に至るとか、イノベーションを起こすとかに、何が必要なのであろうか。間違えることが必要だと、昔、言った方もいた。いずれにしろ、大局観は、人間のような新発想の想起に、重要な役割を果たしていると思う。

そこに至る道は簡単ではないかもしれない。だが、Bonanzaで一気に新方式に流れが変わったのを見ると、分野横断的なクリエィティブなアイディアであっけなく達成されてしまうかも知れない。

人間の脳は、進化によって淘汰されてはいるが、所詮、分子機械である。暴力的な規模の効果による質としての見え方の差があるだけで、意外とシンプルな原理で動いているかもしれない。今回のボンクラーズの指し手の人間らしさをみると、そのように感じてしまう。

コンピュータ将棋の文献から)
2006年の情報処理学会45回の記念大会 http://bit.ly/wbVFVg で、コンピュータ将棋と人間との対戦の企画に参加した。2006/3/8に実施され、松原先生らのご努力で大変よい企画が実現した。おりしも、米長永世棋聖が、プロとコンピュータ将棋の勝手な対戦を禁止する通達を出した直後であった。通達については、http://bit.ly/weyRkm に、以下のようにある。
2005年9月には、プロ棋士で北陸先端科学技術大学院大学教授を務める飯田弘之のチームが開発したコンピュータ将棋ソフト「TACOS」が同じくプロ棋士の橋本崇載とイベントで平手の対局。結果は橋本の勝ちとなったが、TACOS は橋本を敗北寸前まで追いつめた[11]。この事態を重く見た日本将棋連盟は、2005年10月に全棋士と女流棋士に通達を出し、連盟に無断で公の場でコンピュータ将棋と対局しないこととした。
記念大会当日は、2005年世界コンピュータ将棋大会で優勝した激指しと、2005年アマ竜王 の清水上 さんが対局した。対局は清水上さんが中盤から優位に駒をすすめ圧勝となった。その後のパネル で、清水上さん松原先生、伊藤先生、島八段、激指開発者 鶴岡先生 によるパネルを拝聴した。このときも中盤の激指しの疑問手に関して、大局観の重要性が話題になった。コンピュータは序盤は定跡で指せて、終盤は読み切りができるが、大局観がないので中盤で決定的に不利になる。大局観が大事だ、どうしたら出てくるのか、という議論もされていた。ボナンザが将棋大会で初出場初優勝し話題になったのが2006年5月、ほんの少し前であった。
ところが、今回、ボンクラーズは大局観無しで、難しい中盤で人間らしい指し手を実現してしまった。

松原先生編著の「コンピュータ将棋の進歩 2」1998年5月初版。http://amzn.to/yXe6CY
の最後の章で、当時東京農工大の小谷教授が1998年の視点で以下(要約)のように書いている。
松原氏や私は2010年頃にはコンピュータ将棋は名人の強さになるといってきた。そのために9年間の間に次の技術進歩が必要である。
  1. 64倍速くなるコンピュータ
  2. ハードウェアを含めたコンピュータチェス技術を完全に習得
  3. さらに20数倍速くする技術を要する
上記を、Pentium II 300MHzをベースに予測している。

intel Pentium II: http://en.wikipedia.org/wiki/Pentium_II  333MHz 1 コア, 3命令同時発行out of order
intel core i7: http://ja.wikipedia.org/wiki/Intel_Core_i7  3.2GHz 6コア, 4命令同時発行 out of order

先のwikiの情報を勘案すると、ボンクラーズは6 socket (おそらく?)のクラスタである。命令レベル並列はあまり向上しないと考えると、ハードウェア性能は単純計算で、3200/333 * 6 * 6 = 345倍になったことになる。もちろん並列化ロスもあろう。現に、先の情報処理学会大会当時の激指しは、徹底的に探索空間の絞り込みをかけているので2 倍前後しか並列加速が出せないと聞いたように思う。
それを無視して考えると、1の予測よりもかなり早い。当時の予想が64*20=1,280倍の性能ということなので、4倍分を、3に相当する計算手法で性能向上したとも考えられる。
計算過程の予測は多少違うが、9年での進歩の予測はほぼ当たり、2010年ではなく2012年に、プロ、それも永世棋聖を打ち負かした。達見である。
これらの方々が、今後の大局観への進歩について、どう予想されているのか、興味がある。

CPUの速度向上は、以下リンク内に挙げたグラフのように、その後、2003年に熱問題が発生し、クロック向上から、マルチコアの時代になっている。

ビッグデータ解析)
今の将棋の新方式が、脚光を浴びつつあるbig data analysisである。が注意したいのは、Map Reduce (オープン版がHadoop) にしても、Bonanzaにしても5年以上前の技術である。それが、実証されて着目されたということ。
具体的には、先の将棋、Googleの自動走行車、IBMのクイズ番組(Jeopardyを解くプログラム Watoson : http://www-03.ibm.com/innovation/us/watson/index.html  ),

軍事応用など) http://bit.ly/AmgYOi
ソーシャルメディアの解析) http://ventureclef.com/blog2/?p=1374

米国でこうやって実証されたのをみて、ようやく日本も最近注目しだした。それはそれで流行であろうが、米国ではすでに実証された技術である。
今からやって、先端を走る人に追いつけるのか。。先端の人はもう、次を見ているのではなかろうか。

私が、もし、この分野をやるなら、大局観の分析とかをやりたいと思う。それが基礎研究であり、投資である。

危険への対処)
知性のあるコンピュータをインターネットにつなぐだけでも、かなり恐ろしい。
銀行でも政府機関でも外部サポートによるシステム障害への遠隔メンテの効率化のために、メインコンピュータは電話回線など外部回線に繋がるポートをもっているらしい。もちろん回線番号は秘密だろうし、パスワードなどで強力に保護されている。だが、高い知性と人間を遙かに超える計算能力があれば、以下のようなことができる。
  1. インターネットにつなぎ、Skype等を経由して電話やFaxに発信する。Skype等のアカウントも当然ハックして無料で入りこむ
  2. 回線番号を探し出す
  3. パスワードなどを解読する
  4. データセンターや銀行や政府、特に軍のコンピュータをコントロールする
軍や銀行は、外部の管理回線を廃止すればよい。が、データセンターいわゆるクラウドは、本質的にインターネットでサービスをしているので切り離せない。ここにSPAMやウィルスをばらまくだけでも社会生活は相当に混乱する。今後クラウドへの依存度がますます高まるので、影響度はますます無視できなくなる。

映画TerminatorでSkynetが人類に牙をむく世界になりかねない。絶対の安全策を施す必要がある。だからといって、人間社会を豊かにする可能性のある技術の開発を止めろとなるのは、短絡している。技術には長短が必ずあるので、短所を恐れていてはなにもできない。長所を伸ばし、短所を補うのが科学技術力である。(以下でも触れているように、最近の日本や米国はこの能力が低下しているように思う。)

2012年1月2日月曜日: Hoover Damのダム湖は巨大、三峡ダムの発電量も - 世界レベルは違う。が黒4ダム時代の日本は技術立国だった


原発事故をみても技術者や政府は独りよがりに陥りやすい。多くの人たちと対話して危険を事前に察知する必要があると思う。

従来の発想との違い)
従来、「知性は脳の並列処理によって生まれる。コンピュータは逐次処理なので知性には至れない」と、しばしば、いわれていた。
なので、第五世代コンピュータ国家プロジェクトでのPrologによる並列の記号パターンマッチング(unification, backtrack) や、その後のニューラルネットとかの研究があったと思う。だが、どうも本質ではなく、知性らしい動きには至っていない。ニューラルネットで実現できたことは、結局信号処理の適応フィルタという既存技術の発展系にとどまっている。

ニューラルネットと関連技術の詳細解説と適応フィルタへの応用) http://bit.ly/yqGyYv

ところが、今回のボンクラーズの原理、「大量の知識を整理統合する」という、並列処理とは関係ない方式のイノベーションが、永世棋聖に、「(『昭和の大名人』と言われた)大山康晴と指したという感じ」といわせるような、人間らしい指し手を生んだように思う。

私は、ここに従来的な構造を真似る発想の限界を感じている。何がイノベーティブなやり方かを列挙してみた。
  1. 原理の本質と、出来ていることの因果関係を説明する
  2. 装置の技術進化を理解し、やりたいことを深く考察した上で、新手法を創造する
  3. 他の分野で有効であった手法を拡張し適用する
http://ja.wikipedia.org/wiki/Bonanza には、このようにある。
(Bonanzaの)これらの特徴はコンピュータ将棋の過去の蓄積を知らなかったために実現したことであって、日本にいて情報が入ってくる環境であれば、個人が1年で完成させることは不可能であったと述べている。
既存常識(知識)が、イノベーションすなわち新発想を妨げる可能性を示唆している。

この章は、Facebookに投稿して、得られたコメントに従い2012/2/12に追記した。むしろ専門家でない方の、素朴な疑問に答えることが、このような考察につながった。
良く専門家は、「シロートが。。」と馬鹿にするし、一般の方は、「私どもシロートが」と引いてしまう。だか、誰とでも真摯に話し合うことが、イノベーションには大事なのではなかろうか。

発想法つづき)
(大分脱線してきたので、そのうち別記事に分ける。。)
前節の発想法は、新しいことではない。パラメトロンの発明者で知られる故 後藤英一 東京大学名誉教授が、以前、量子パラメトロンの発想に関して学会誌か新聞記事かなにかで以下のように述べていた。(googleを探しても、裏付け情報は見つかっていない)
新発想がでたときは、関連文献の調査はしない。まず数日じっくりと考える。それから文献を調査する。
後藤英一) http://bit.ly/zAXrrW
パラメトロン) http://bit.ly/xqeTHJ
ある外国人研究者から、「私はこの分野で後藤という名前の日本人を3人知っている。パラメトロンの後藤、ゴトーペアの後藤、磁気モノポールの後藤。お前はそのうちのどれか?」と尋ねられたため、「そのすべてだ」と答えたという。
とあるように、後藤先生の研究の範囲も広い。Hash法、Lispコンパイラ、多項式の乗算の高速アルゴリズムなどにわたる。

また、川合先生の「後藤先生の御退官に寄せて」http://bit.ly/xYsxGW 
のなかでも、以下のようにある。
他人が余り注意を払わない現象などの中に、本質的かつ有用な要素を見定めたことによる成果であるものが数多くあります。天才的な研究者の「感」と呼べるものだと思います。
また、境界領域に答えが落ちていることも注目したい。「専門でないから。。」と、興味深い新技術を見落としたら、イノベーションは生まれない。インターネットで調べれば30分もかからないことが多い。

そのためには時間管理能力が重要だと思う。米国でもイノベーティブな人は、時間の使い方が大変上手く、常に余裕の時間を生み出している。以下に書いた。(私の場合には、趣味とは言え、余計なことに興味をさき過ぎていると思うが。。)
2011年11月24日木曜日: 老害、エセエリートの害、本当のエリートとは
時間管理ができないと、新発想やこれからのビジネスに一番大事な、コミュニケーションに時間を割くことも出来なくなるように思う。
2012年2月2日木曜日: リーダの条件 の中で、http://bit.ly/xYuhvt に考察した。
状態量の爆発に着目したい)
とかくコンピュータは、計算速度の向上に着目しがちだが、実際に変化をもたらすのは記憶容量の増大にあると考えている。特に、状態量は、指数で効くので、爆発的な増大をもたらし、それが質的な変化に繋がると考える。もちろん、記憶容量が増えれば、計算速度の向上も必要になるが、それは、線形にしか増えない。
一方で、状態量の爆発を利用した、アルゴリズムの改善を行えば、処理量は一気に指数オーダで増える可能性がある。以下に書いた。

2011年12月16日金曜日:LSIの進化の貢献は速度ではなく記憶容量にこそある


ハードウェアにばかり注目しないで、アルゴリズムにも注目したい。現に、UC Berkeleyではそういう研究が始まって、成果を出している。

Jim Demmel) http://www.cs.berkeley.edu/~demmel/ である。
Hot Chips 2011に彼が招待され講演しておられた。私はLunchで近くに座り歓談してきた。
GPUで、今使われている力業の陽解法から、効率のよい陰解法への脱皮。Auto Tuneというパラメータ自動チューニングの応用など、筋の良さそうなアイディアを沢山研究し、成果を結びつつあるようであった。

蛇足) HotChipsの運営は画期的である)
Jim Demmelのような方をCPUやLSI設計の学会に招待するHot Chipsの運営委員の先見性には恐れ入る。イノベーションにおける、境界領域、分野横断の重要性を認識している。

ひとつ付け加えると、Hot Chips23 (2011夏)の学会資料、プレゼンのvideoは2011/12月から無料でだれにでも公開されている。

http://www.hotchips.org/conference-archives/hot-chips-23 である。

金を払った人は鮮度を手に入れて、しばらくしたら、学問の発展の為に一般公開する。高額な研究情報の流布が問題になったりしているが、寛大な発想も、科学技術発展の為には必要なのではなかろうか。。企業や政府も学会に資金援助すれば、学術情報提供側も低コストな情報提供が可能になるであろう。

政府の予算はハコモノばかりに流れがちである。
本当の競争力である、「情報」にも投資すべきだと思う。

確率を理解すればサギにひっかからない - 絶対のシステムは難しい

こんな感じの、ギャンブルが実際モバゲーにあるらしい。(2012/5/7追記) 正しくは、DeNAのガチャ (コンプガチャ、コンプリートガチャ) でした。http://bit.ly/JWDPRg 最近、消費者庁に違法行為と指摘され、グリー、DeNAの株価はストップ安担っているようです。http://bit.ly/JWDRZy Gameは、中毒性があるので、気をつけた方がよいと思っています。そして、知らないうちに時間だけを消費して、与えられる能力は、ゲームの強さぐらいであり、社会生活への貢献がきわめて少ないように思います。日本の若者から競争力を奪う原因になるのではと、考えています。今の世の中、ググれば何でも出てくるのだから、知識欲を建設的な方向に使えばよいのに。)

問題設定)
  1. 違うカードが6枚そろうと、稀少な商品がもらえる。
  2. 一定のお金を払ってカードを買う
ここでだまされるのは、1, 2枚のカードは簡単にそろう。たとえば、6種類のカードがあって、別々な6種類をそろえるとする。

1枚目は必ずそろう。2枚目は5/6の確率。3枚目は4/6の確率。と段々難しくなり、最後は1/6になる。

もうすこし厳しい例)
元のカードが10種類あって、そのうち6種類そろえようとすると、もっと大変である。
もとのカードが減らないので、分母がへらない。つまりそろっているのと、同じカードを再度引く可能性がどんどん上がるのにも注目したい。

1枚目が6/10 = 0.6,   2枚目は 5/10 = 0.5,   3枚目は 4/10=0.4,    4枚目は 3/10=0.3,   5枚目は2/10 = 0.2,   6枚目は1/10 = 0.1 である。一度カードを引くと100円かかるとする。
  •                       投資する金額の期待値
  • 1枚目に期待のカードをひく確率は、0.6                  差分      167円  積算   167円
  • 2枚目に期待のカードをひく確率は、0.5         差分      200円  積算   367円
  • 3枚目に期待のカードをひく確率は、0.4          差分      250円  積算   617円
  • 4枚目に期待のカードをひく確率は、0.3      差分       333円  積算   950円
  • 5枚目に期待のカードをひく確率は、0.2         差分       500円     積算1,450円
  • 6枚目に期待のカードをひく確率は、0.1           差分     1,000円     積算2,450円
つまり、5枚そろった、これは幸先がよいと、6枚目にトライすると、これが実は難しく、それまで払ったものに近いお金を払わないといけなくなる。

システム作り)
これを理解した上で、2,000円相当の商品を与えることにする。まず166円投資して、2,000円に近づくのだから、1枚目は気軽にやる。4枚目ぐらいまでは、やるだろう。が、全員6枚目までやったとすると、平均で2,450円も払ってくれるのだから儲かる。確率の場合、大数の法則が成立するので、超能力がある人でもいないかぎり、必ず儲かる。

が話は、ここでは終わらない。

途中から難しさがわかって、もったいないと途中で断念する。すると賞品はその人には、絶対いかないので、さらに儲かる。どこまで頑張るかは分からない。早めに断念しようが、最後まで粘ろうが、勝つまでやる人が少なければ少ないほど、儲かることになる。

もっとヒドイ例)
ここからは仮想の世界になる。
上記は独立事象なので割と穏やかだが、複合事象になると、確率の積になり、ひどいことになる。

つまり、途中で違ったカードを引いた時点で、失格。最初から、やり直しとするのである。

上記同様、元のカードが10種類あって、そのうち6種類そろえることを考える。
1枚目が6/10 = 0.6,   2枚目は 5/10 = 0.5,   3枚目は 4/10=0.4,    4枚目は 3/10=0.3,   5枚目は2/10 = 0.2,   6枚目は1/10 = 0.1 である。失敗は許されないので、確率は、これらの積で効いてくる。6枚目は、ほとんど外れのなかから、当たりを一発で引き当てないとならない。

そこまで成功する確率と、それに必要な投資額の期待値、前回まで成功との差分を後ろに書く。先の例同様、一回引くのを100円と仮定する。N枚そろうまでに100円 x Nだけ投資しているのに注意する。今度は積算が先に算出されて、そこから差分を求めることになる。
先の例に比べると、桁違いに難しい。
  •               投資する金額の期待値
  • 1枚そろう確率は、0.6                   積算         167円   差分      167円
  • 2枚そろう確率は、0.3     積算        667円   差分      500円
  • 3枚そろう確率は、0.12         積算     2,500円   差分    2,000円
  • 4枚そろう確率は、0.036    積算   11,111円   差分    9,111円
  • 5枚そろう確率は、0.0072    積算    69,444円   差分   60,333円
  • 6枚そろう確率は、0.00072      積算 833,333円     差分  773,000円
仮に5枚までうまくいった、これは幸先がよいと、6枚目にトライすると、これが大変難しい。違ったカードを引いて失格になる。
また金をはらって、5枚目までいく。これまでお金をつぎこんだのだから、あと一枚なんだから、簡単だろうと、のめりこんでいく。。結果、大枚をつぎこむことになる。これがギャンブルにはまるシステムであろう。

最後のカードを引き当てるのは、10枚のカードから、ある1種類のカードを引けばよいので、1/10の確率ではあるが、必ず一発でそれが成功しないと、それまでの成功を全て失う。なので、1枚そろうカードを増やすことが、きわめて難しくなっていくわけである。

たかが、1回100円ということもあり、だまされることになる。連続成功の確率はきわめて低いので、成功するには、期待値で83万円もの大金を投入することになる。

システム作り)
これを理解した上で、80万円相当の商品を与えることにする。まず167円投資して、80万円に近づくのだから、1枚目は気軽にやる。4枚目ぐらいまでは、やるかもしれない。とにかく、1枚そろえるカードが増えると、急激に難しくなっていく。直感的には、先の例よりは、少しだけ難しいだろうと思って始めると罠にはまる。

気楽にはじめて、4枚目ぐらいまでいって、これはかなわんと止めてくれれば、金だけ貢いでくれるので、もうけが増える。全員6枚目が揃うまでやったとすると、平均で83万3千円近く払ってくれるのだから儲かる。が、おそらくは80万円もつぎ込む根性のある人はいないであろう、かといって1万円ほどつぎ込んだら抜けられない。みんな結構な大枚をはたいて途中で挫折していってくれれば儲かるわけである。
先の説明同様、大数の法則が成立するので、超能力がある人でもいないかぎり必ず儲かる。

が、これは上手にできたギャンブルではない、儲からないので、リピータがでないからである。損していても「成功したな。。つぎもやろう」くらいの雰囲気を与えるものの方がよいと思う。

ギャンブルというのは、巧妙につくれば、大変儲かるシステムだと思う。

いろいろなできごとも同じ)
後ろの例にあるように絶対に失敗するな。というのはきわめて難しいのである。
何度か試して、うまくいけばよいや、という前者のシステムとは、比べものにならないほど、難しい。

絶対に壊れないシステムや、
絶対に漏れない情報セキュリティを作ろうとすると大変なコストが掛かることになる。
そういうものが本当に必要なのか?
かけるコストと、失う価値を天秤に掛けないと、無駄な投資をすることになる。

株の儲け方の誤解)
株は、1%ずつ儲けて、それが何回も成功すれば、大金になるといった人がいた。これも同じ、損をせずに、儲かることだけが続く確率は、一気に大金を儲ける確率と同じだけ難しいと思う。

おわりに)
後半の例は、悪質だが、前半の例ぐらいであれば、人間の心理をついているだけなので、サギではないのかもしれない。
しかし、麻薬のようになり、途中で抜けられない心理をつく点で悪質である。確率が分かっていれば、こういう誘惑には、ひっかからない。

そもそも、おいしい話には裏があると疑ってかかるのが、安全であろう。

いずれにしろ、顧客価値を生まない商売をしているようだと、その会社は、みんな愛想をつかして去っていくだろう。。



2012年2月7日火曜日

マニアの考えることは面白い

マニアは、実に面白い発想をする。

プラセーボでも先入観でも好きな人が楽しみつつ、金を払うのは悪いことではない。また、特にオーディオでは、業界もそれに乗って、虚構らしき世界を築いているが、これも趣味の領域なのでよいだろう。
みんな幸せならいいのですが、その気が無い人は、真に受ける価値があるかどうか。。

あと、余りやり過ぎるのは、考える力を落とし、科学技術の低下に繋がるのではと危惧する。確信犯でやっているならばよいが、技術者や科学者が、この論理を真に受けてたら、考える力の低下になるのではと。。

もっとも、カトリックで地球創世を信じた著名な科学者がいたりするので、多分に余計なおせわかもしれない。以下にも関連記事を書いた。
2012年1月28日土曜日:おたくとウンチク
オーディオマニアの怪)
 http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-327.html
ピュア界とは? ~オーディオマニアの世界は異世界だった~ より

「CDは2度がけすると音質が向上する!3度がけはダメ!」(日刊スレッドガイド)
という書き込みがある。が、この元リンクは消去されている。そもそも、本当のマニアをばかにした、おふざけだったのかもしれない。が、発想が面白いので、引用する。

そこには、メーカーの検証についても触れられている。
この理由に関しては、さまざまなメーカーが検証し、
私たち評論家も推論を立てました。有力な説は、
ある種のメモリー効果です。デジタルメディアには
「この中にはこういう内容が入っています」というメタ情報が、
あらかじめ書き込まれています。これを基に、
1度メディアをスキャンしておくことで、読み取りの精度が高まったり、
エラーの出現率が抑えられるのではないかと仮説です。
いわば、ぶっつけ本番だとプレーヤーが「慌てふためいて」対応し切れず、
本来の力を出し切れない。しかし、半導体メモリーが
すでに経験した情報であれば、信号処理に余裕がで出て、
より良いパフォーマンスが出てくるのではないか、と。
半導体メモリーにメモリー効果があるの、、、、ディジタル信号処理を勉強しなおしたほうがいい。

そして、
電源コードを変えると音が変わるのはピュア界では常識です。
私は発電所から専用線で我が家まで電力を引っ張り込んでいます。
電線の材質は無酸素銅が最高ですよ。
おかげで、ウチはミニコンですが、ハイエンドよりいい音がしますよ。
ちなみに電力会社の違いでも味付けにサがでるよ。
電力会社     長所      短所   お奨め度
------------------------------------------------------------------
東京電力     バランス   モッサリ遅い     C
中部電力    低域量感   低域強すぎ   A+
関西電力    高域ヌケ   特徴薄い    B
中国電力    透明感     低域薄い    B+
北陸電力  ウェットな艶   低域薄い     A-
東北電力    密度とSN   低域薄い    A+
四国電力   色彩感と温度 低域薄い    A
九州電力    バランス    距離感      C
北海道電力   低域品質    音場狭い     B-
沖縄電力    中高域艶   モッサリ遅い    A
で、上は発電所から5Km地点での特徴。
それより自宅~発電所間の距離が長いと上記特徴+マイルドの味付け

短いと上記特徴+刺激的な味付けが加わるよ。
えー。発電所から、専用線、それも無酸素銅線で電力を引き込んでいるの。。。と、驚愕。。そして、全国津津うらうら、発電所から5km以内のところに、オーディオ装置を運んで聞き比べをしたのか。。もっともらしく書いているけれど。きっと、おふざけなんだろう。。

まだまだ序の口。。さらに、
真のピュアオーディオの道は発電所選びから始まります。  
・原子力  : 劣化ウランの重量感と、どこまでも突き抜ける中性子の透明感を併せ持ち、好みが分かれる。  
・火力  : ねっとりと絡みつくC重油の重厚感に、コークスの軽量感が少々ブレンドされ一般的な感覚。  
・水力  : 力強い瀑布のパンチ力の中に感じられる。水滴の煌き。マニアックな味わい 
・風力  : 通常は、そよ風の清涼感だが音量を上げるほどに破壊力を増していく、ダイナミックレンジの広さが魅力。  
・太陽電池 :  金属的な反響を感じる全体的に硬い音。高域では鏡のような反射が魅力となる。
楽しい冗談なので、真に受けるのもヘンだが、真に受けると。。
電気なんて、全部ミックスして流れてくるのでそんなはずはないし。風力でそよ風、水力で瀑布。って先入観ありあり。。これも、だれが、聞き比べをしたのか。。

科学的に考えてみよう)

オーディオの真実: http://bit.ly/z8HrmV の二重盲検法で、まじめに取り組む業界もいます。
モンスターケーブルと針金ハンガーが聞き分けられなかったり、iPodに1000万円の高級オーディオが負けたり。かなり興味深い結果が出ている。

オーディオ業界は基本的に業界ぐるみで、やらせの構造になっていると思う。マニアは喜ぶし、利益があがればよいという開き直りだろう。

確かに、非DCアンプの時は、ケミコンの品質が音に出たかもしれないが、IC化し、スルーレート(応答特性)のきわめて良いDCアンプになると、もはや差は少ないと思う。
現に先「オーディオの真実」にあるブラインドテストでも、安いキットのアンプと、高級アンプの中身のICは同じチップだとある。

なにせ、人間では絶対に聞き取れない数MHzの信号が通るDCアンプで信号が劣化する理由を作るほうが難しい。NFB(負帰還) で特性が完全にフラットにできるはず。

そもそも、どういう理論を立てようが、マイクとスピーカがその周波数には応答できない。それ以前に、耳で音を検出する蝸牛が共鳴構造なので、応答できる理由がない、と思う。

人間の可聴域)  20Hz-20kHz)  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%B4%E8%A6%9A

入り口のマイクと出口のスピーカの特性がめちゃめちゃ悪いのに、途中のアンプの特性を云々しても意味がない。

とにかく、オーディオマニアは、ある種、宗教と一緒なので理由など存在しない。

大学同期の電子工学専攻の友人がマニアだった。電子技術に詳しい人間で、理論は知っているはずなのに、「プレーヤはアナログでなきゃだめ。カートリッジの線は、無酸素銅でなきゃだめで、半田付けは異種金属の接続になりダイオード特性になるから、半田付けをせずによじってつけて、しばらく使うと接触面と線体が酸化して音が劣化するので、線をカートリッジを交換するんだ。」 と、いっていた。異種金属接合がダメなら、金メッキもできない。第一、アンプの中はどう作るのだろう。。

真空管アンプ)
真空管アンプだと音が良いと良く聞く。

真空管アンプは、周波数特性がめちゃくちゃな、キャパシタと出力トランスが必須。それも真空管のインピーダンスはかなり高いので、出力トランスの1次側の巻き線が相当に増える。そうなると、インダクタンスが増えて、高域が落ちるので補正が大変で、合成の音にならざるを得ない。本当に音を良くしようとしたら、フェライトコアとか、コアレスのトランスにすべきだと思うが、真空管用トランスは、相変わらず鉄心のコア。それも昔ながらのものが人気がある模様。

真空管が良い理由を聞くと、トランジスタのDCアンプだと負帰還が掛かって、位相が回るので音が悪くなると。。。トランジスタの高速DCアンプで位相が回っても、せいぜい数us。それよりは、スピーカーのボイスコイルのほうが大きく位相がまわるはず。真空管アンプなら出力トランスでも大きくまわる。
3/2乗特性の真空管で負帰還を減らしたら波形がめちゃめちゃ歪む。つまり、歪ませた音がいい音といっているようにも聞こえる。

真空管の特性) http://champ.chips.jp/gazou14/tube1.html

音を歪ませるのなら)
音を歪ませるのなら、それこそディジタル信号処理の出番である。

Voice Synth) http://bit.ly/yfIDRA のような、高品質なボコーダすら可能である。。$4.99ないしは450円である。以下に紹介動画を埋め込んだ。他にもボーコーダアプリは沢山がでている。


なにしろSIMD(NEON : http://bit.ly/xALhKg ) 内蔵の1GHz動作のdualコアなのだから、せいぜい20kHzの音声処理など、なんでもないと思う。

生物の聴覚組織)
また、蝸牛の構造からして、微小な位相差は検出できない。そもそも、神経組織の応答速度がそんなに速くはない。

神経伝導速度検査)http://bit.ly/zQainr
によると、神経信号の伝搬速度は最大でも65m/s。仮に100m/sとして。1ミリ秒で、10cmしか伝わらない。100kHzの音だと周期の間に1mmしか伝わらない。信号を検出するにはこの4倍の分解能は必要なので、0.25mm となる。実際には、もっと遅いはずのシノプスでの伝搬時間がかかる(データはみつかっていない)。つまり情報処理をしようとすれば、0.25 mm よりも小さいところに組織を集中させるか、非常に巧妙な仕組みで、時間差を補正する機構を作る必要がある。
そんなことは面倒なので、人間の聴覚は、信号を波形で捕らえるのではなく、蝸牛による周波数毎の共鳴で検出するようになっているのだと思う。つまり検出時点で、フーリエ変換して、周波数空間に変換しているので、もはや位相差などというものは認識できないと考えるのが、妥当であろう。

蝸牛) http://bit.ly/ydl8Hr

もっとも、音の方向が検出できるので、到達時間差とか、強度差、周波数特性の差には敏感だと思われる。もしも、方向検出も信号の位相差でやられているとしたら驚きである。

まだ読み砕いていないが、音の定位については、以下にリンクが沢山ある) http://q.hatena.ne.jp/1118729365

そもそもオーディオなんて)
マイクとスピーカという、特性が極めて悪い装置を経由させて再生し、それもステレオでは左右2個しか使っていない。決して生の音には成らない。合成の音である。

音響のいいホールで生の音を聞いてみればわかる、名奏者や一流楽器での演奏でなくても臨場感が全然違う。マイクを使っても音が変わる、円形劇場のように音響効果をよくして、マイクを通さずに、生の音が聞けるようにした所での音はまた違う。

オーディオ装置がいくら素晴らしいといっても、所詮合成の音。
料理好きでいえば、「味の素」を沢山ぶち込んで喜んでいるようなものかもしれない。

車も)
車も実は先入観が入っている。私は、車愛好家からは評判が悪い現行プリウス ZVW30に乗っている。

ただし、Motor Fan Illustrated vol.47 オートマチックトランスミッション p.64-65には、日米欧の走行パターンの違いと、チューニングの違いがでており、その通りに多くの車種でチューニングされているとしたら、敏感な方には本当に違いがわかるのであろう。別記事に掲載したい。

2nd carは、2000年型BMW323i (走行距離がかなり行っているので安い中古だった)。確かにBMWのエンジン音はいいし、アクセルレスポンスはクイック。サスはかなり堅い。もちろんFFとFRの違いがあり、駆動がかかったとき車の挙動も多少は違うし、スポーツ車のほうがタイヤの扁平率が高いので、優れたサスと相まってコーナリング特性に優れるであろう。だが、先入観なく乗り比べるとPriusの足回りが極端に劣っているとは思えない。つまりサスやタイヤの特性の差がでるほど、極限のハンドリングはしないのである。
また、昔のBMWのように、ハンドルが重いということもなく、パワステも共に車速感応型に進化しており、差が縮まっている。
さらに、BMWでも、アーム長は長いものの、ストラットだったり、欧州車でもセミトレのサスだったりする。CクラスのFF車では、リアサスはトーションビームが普通である。

たしかに、昔の日本車はステアリングが車速感応でなかったので、高速で急ハンドルになりやすく、危険な感じがしたが、今の日本車は、欧州車を見習い差が少ないと思う。1995年頃にフロリダを旅行したとき借りた、レンタカーのスバルインプレッサは、小型車だが、足回りもきわめて優秀な作りだったと思う。エンジンも大変素晴らしかった。

日本車は急速に進化したと思うのだが、先入観のある人は、昔の欧州車と日本車の差が、焼き付いているのかもしれない。

BMWは高速道路など、高速かつ小さな回転半径のカーブで吸い付くようには走る。が、Priusがさほど劣っているとも思えない。Priusのリアサスは、リジッドなトーションビームという先入観があるので、貧弱に感じてしまう。トーションビームは、後輪操舵の機能もあり、だいぶ熟成されていると思う。走り屋が好む車にも多く使われれている。だが、チューニングがあるので、同じサスジオメトリだからといっても、有名ブランドのそれは違うんだ、と言われると反論できない。
ストラットやトーションビームの車を、高級なマルチリンクだと偽って試乗させて、「いや、これはマルチリンクのはずがない」と、当てられるカーマニアが何人いるのか、実験してもらいたいものである。
車は二重盲査法ができないのが問題である。トヨタの車をベンツやポルシェが発売して、スペックも偽り、ベンツとかポルシェだといいはるとかやれば、実験できるかもしれないが。。

2012年2月2日木曜日

リーダの条件

Google e-bloggerが障害を起こして記事が消えたようなので、検索のcacheから拾ってきて、復活させた。若干内容が減ったが、逆に加筆した部分もある。

内容が散漫になってきた。特にビジネスのあり方についての部分は、独立性が高いので、そのうち整理して分割したい。

--
リーダシップとは)

1) 聞くこと(意見集約)
2) 決断すること
3) 説明すること
4) 発想することと だと思う。ところが、1)の重要性はあまり認識されていない。4)は、ブレインにやらせれば良いので、1)から3)が重要に思える。

そして、5) みんなで選んだリーダの決断には従う。5)をやらないと政治も会社も迷走する。

昔は、雇われ社長でも会社が上手くまわせていたが、最近は、オーナ経営で無いとうまくいかないとよく言われる。雇われ社長は、ROIとか株主の意向ばかりを気にする、経常利益を確保するため、売れる製品・サービスを作る努力ではなく、行き当たりばったりのコストカットに走る風潮がある。これも、5)ができていない弊害だと思う。

2012年2月1日水曜日: 大企業病と恐竜との符合 - 哺乳類,昆虫型企業へ
にまとめた。

オーナ社長は苦労しているから、1), 2)ができる。3)-4)もできる。そして、5)もできる。
橋下 大阪市長も5)の重要性に言及している。これについては以下に書いた。

2012年2月1日水曜日: 雑草の中から大人物は育つ

前向きであること)
また、リーダは前向きな姿勢が大事であるとよく言われる)だめとはいわない。(育成でもよく言われる)伸ばすためには否定形は使わない。

成功する考え方)
http://anond.hatelabo.jp/20090113092905 にある、宝塚のブスの条件。この逆をやれば成功すると思う人は多い。

ここには、コミュニケーション能力の重要性が、そこここに述べられている。1. 笑顔がない 2.お礼を言わない。20.の他人を信じない 22. 謙虚さがなく傲慢である 23.他人のアドバイスを聞き入れない など。少し前の日本では、どれも当たり前のことだったのも注意したい。今でも、日本人は当たり前だと思っているかも知れないが、私は、かなり失われていると実感している。「ありがとう」というお礼、「おはよう」という挨拶を聞くことがとんと少なくなった。

低下するリーダのコミュニケーション能力)
米国で友人と食事すると、友人が「君の歓迎だからおごるよ」と譲らないことが多い。ところが、日本から上司が来客すると、お土産を持ってくるでもなく、「あれが食いたい。これが食いたい」と、さんざん引きずり回しておいて、食事は割り勘を当然と思い。「ありがとう」の言葉も無い。お金のことでは無い、上司だからと部下に配慮しないのが、そもそもコミュニケーション能力の欠如なのであり、そう言う人では、どんなに知識が豊富でも、リーダは勤まらないと思う。少し昔は日本でも上司は、もう少し部下に配慮していたと思う。

私も人のことは言えない。海外出張で現地駐在員を引きずり回して同じ事をしていた。問題点に気づいたのは、家族に指摘されたからである。海外だと自宅に同僚を呼ぶことも多く、相談しているうちに実態が家族の目に触れたのである。日本でも海外でも、職場以外の世界を持てとよく言われる。同じ考えの人が固まっていたら気づきも無い。こんな事を言われたこともある。「我が家族は誰も興味を持たないあなたの趣味群(ガレージの工作設備, NASAのポスター, Bay Areaの航空写真, PC等) に、あなたの同僚たちは、みんな一律にトラップされているんだね。」。モノカルチャーの危険性がここにある。
違った視点の人たちと一緒に、人間観察をするととても興味深い。

末尾掲載のようなものもあるが、コミュニケーションの重要性が忘れられている。今の日本では、盲点として忘れられているのかもしれない。
自分一人では、何も出来るはずが無いのに。。

コミュニケーション能力を育てる教育というものが一切やられていない。知識の詰め込みばかりである。本来、「ゆとり教育」が狙ったのは、「知識の詰め込みからの脱却」であったと思うが、システムばかり先だって心が入っていなかったのだと思う。これも、コミュニケーション能力が低い、リーダ達が考えたシステムだからであろう。

リーダがそういうことだから、「わずらわしい世の中から一歩引いて、独自の世界にいたい」という発想もでてくるのだと思う。

2011年11月29日火曜日: サラリーマンは気楽な商売か?「いかのおすし」
みたいなことを皆で考え出したら。組織は上手く回らない。

育成もリーダの仕事)
リーダの仕事は、育成である。仕事の仕方自体を教えるのであるから、この育成はスタッフには任せられない。たまには、外部講師や講演会に部下を送るのも良いが、ほとんどの教育は自分が仕事のなかでやるものと認識すべきだと思う。幹部の仕事は以下であろう。

ところが日本ではどうも事務処理係になっているようである。
外人講師による演習で、10件くらいの選択肢、「やりがいのある仕事」「給料」「優秀な上司」等を列挙し、一番モチベーションを感じるのはなにかというアンケートをすると、アジアを含む日本以外の国は、すべて、「優秀な上司」がトップに来る。

一方日本では、どの企業も、「優秀な上司」はほぼ、最下位にくる。私が受けた研修では、選んだ人の数でならべると「優秀な上司」は、たしか下から2番目だった。

日本だけが、管理というものを勘違いしているのだろう。

リーダの仕事とは)
管理者の仕事は、書類雑務ではなくて、以下のことだと思う。
  1. 部門の意見を総合した上での、戦略の決定。もちろんそのための会話が大事
  2. 戦略を実行するための組織構造の改革、部下の採用
  3. 戦略を実行するためのビジョンの統一、説明責任
  4. 部下の育成
  5. (予算の確保 - これは部下にやらせられる)
  6. (顧客との折衝 - これも部下にやらせられる)
上司への報告優秀なスタッフを育てたり、集めたりすれば、みずから、雑務に煩わされることは無くなる。ところが往々にして、2,4ができないので、5,6,7に時間を取られることになる。

そして、注意したいのは、リーダはだれでも出来る仕事ではないことである。技術者とは違った才能。コミュニケーション能力などが必要になる。

だれでも歳をとると管理者にする日本のやり方よりは、米国のように、管理職は年齢には関係の無い、職種だと考えた方が健全なように思える。ここにもリーダがブレイン(技術者)の意見集約をするのが仕事だ、というのが正しく理解されていないように思われる。

管理者であることと、昇級をリンクさせる必要もどこにもない。

リーダがだめだと部下もダメ)
米国でも日本でも、オーナがしっかり締めている、店は料理も美味いし、サービスも良い。医者も同じで、個人の医者の場合には、腕のよい医者は、必ず受け付けもてきぱきしている。米国はサービスの質は平均して悪いが、店長が良い店は、日本以上に優れたサービスを提供している。これとは逆に、日本は平均的にはサービスの質が良いが、業績の悪い会社(某航空会社とか..)は、末端のサービスまで悪い。組織は生き物なので、誤魔化そうとしても、すぐにばれる。

つまりリーダがしっかりしていれば、末端の組織までしっかりと動くというわけである。教育もあるし、人選もあるだろう。一番大きいのは、目的を考えているかどうか。つまり思考停止していないかどうか。
日本も業績の悪い会社は、スタッフがちゃんとした仕事をしていないと思う。そればかりか、スタッフは、生産に寄与しない仕事ばかりを生み出し、書類の山を増やすばかり。あふれる情報を整理して電子化していかないとならないのに。。。教育が行き届かないので、思考停止に気づかない。

これは、昨今あった、特許庁の情報システム設計の失敗が好例である。業務改善をしないと、電子化すらできない。

現場主義)
米国では、1-4をしっかりやっても、やはり、管理職は相当に忙しい。部下の面倒をみるので、部屋に座っていることもできず、部下の席を歩き回る。米国至上もっとも優秀な指導者はリンカーンといわれ、80%以上もの時間を現場主義にあてたと言われている。ほとんど眠れなかったのではとのことである。ここで行われる現場主義とは以下の通りである。
  • 上司が部下の席を毎日回る
  • さりげない会話で、気分をほぐしつつ、それとなく、部下のやっている仕事内容、問題にしていることを聞き出す
  • 問題は職務だけでは無く、家庭環境の問題、たとえば家庭内暴力を受けているかにも及ぶ。これは、それを放置すると企業が訴えられるからである
  • 決して答えは与えない。自分で考えるように仕向ける。そうしないと上司がいないと自分で動けない部下になるからである
  • ただし、法に触れる場合は別。悠長なことはできないので、即座に答えを出す
この講師は以下のことを言っていた。
「本当に仕事をしているのは、末端の部下である。なので、report to (報告義務)があるのは、自分の上司ではなく、自分の部下だと思え」。研修を提供していたのは、米国、欧州、オーストラリア等の専門家である。元軍人、ビジネスコンサルタント(元起業者)、カウンセラー、など、が口々にこう言っていた。
危険性)
日本では、「だれか大人物はいないか」と優秀なリーダに任せようとする。これは、リーダには、重責を感じさせ、1)よりも2)-4)に重きを置かさせる原因になると思う。

そして、そのリーダの発言に対しては、隷属の義務しかなくなる。

米国の大統領は、優秀なブレイン達を抱え、意見集約が仕事である。そして、選挙の前には大論争をするが、一旦、その候補者が過半数を取って、当選すれば、当選した大統領の意見に耳を傾け、単純に内容だけを議論する。米議会ではヤジなどが飛ぶことはない。

ただし、オバマ大統領が中間選挙で負けたのは、自分の主張ばかりを通して自己本位であり、人々の意見が聞けなかったという批判もでている。(後ほどリンクを掲載しておく) この性でオバマが中間選挙で負けたため、米国債のデフォルト危機などという馬鹿げた事件が起きたのだと思う。

米国は、他の記事に書いたように、いろいろ問題が有るが、リーダーシップに対しては、ある程度は、健全な考えを持っているように思う。

誤ったリーダ像)
そして日本にいるリーダの中には。実は欧米では相手にされないようなレベルの人もいるようである。

2012年1月18日水曜日: あるべき議論のやり方

から抜粋する。
欧米では、政治経済や自国の文化が語れないとエリートとは認められない。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20111226/225643/?P=1&rt=nocnt に元記事がある。
米国に駐在する日本人の支社長を評して出た言葉が、ケア・テーカー(Care Taker)だ。ニュアンスとしては、「手が掛かる子供」や「我儘な介護老人」といった感じであろうか。
彼らは、日本にある本社の事情は良く知っている、だがそれ以外の事には驚くほど無知だ。役割に応じたスキルは不足しておる、学ぶ意思も無い。
ディナーの話題はタイガーウッズか日本人メジャーリーガーに関することくらい。自国の歴史や文化を正確かつ興味深く説明できず、政治や国際問題について語れないビジネスエクゼクティブなんて、日本以外の先進国では考えられないぞ。この間の話題は原発問題だったが、我々の方がディテールを含め良く理解していたのは、最早ブラックジョークの域だ。
(米国人の彼の仕事は) 収益がなかなか改善しないことに関する本社へのエレガントな言い訳も含め、我々が全部やってやる。彼らは君臨しサインをして、日本人同士でつるんで遊び、ロングバケーションを楽しんで帰る。

この結果)
「世界でいちばん会社が嫌いな日本人」 http://amzn.to/y7dKD1 のようなことが言われている。以下、amazon.co.jp の書評から。

日本人の会社への帰属意識は世界最低とか、現在の仕事に無気力を感じる人が75%とかを見ると、大切にしたい会社は、幻の桃源郷なの? とがっくりしてしまう。 会社ってヒドい処で、仕事はひたすら我慢するもの。そんな考え方の人は 結構日本人には多いと思う。
本書では職場がいきいきする10の条件を提示する。主にアメリカの優良企業の事例であるが、報酬が高いとか実力主義や個人主義、自己責任とかいう、いわゆる日本の企業人が米国企業に抱いていたイメージ、キャッチアップした(はずの)制度変革的な話はあまり見当たらない。本書を読むと、米国の働きがいのある会社の社員は「ファミリーのような人間関係」「長期的な勤続年数」「創業者や会社の伝統」を「誇りに思う」ということを堂々と言っているらしい。グローバルスタンダードに則って、世界市場で戦うんだと息巻いていた日本企業が失ったものばかりじゃないか。間違った欧米崇拝もあろうが、リーダシップの勘違いで、社員の意見集約をし、会社が嫌いになりそうな人の意見に耳を傾ければ、美徳を失わないで済んだであろう。

日本の会社をダメにしたもの、ここ20年は、「世界に追いつけ、スピード感ある経営を。」。のかけ声のもとトップダウンをめざした。結果、会社全体が、上司の顔色ばかり見て、部下の意見に耳をかさなくなったのかもしれない。

米国は意思決定はトップダウンだが、優良な企業は、社員を集め説明会を開いたり、ボトムアップの演出をしている。大統領も各地で対話集会を開いている。
ダメな企業をマネすればもちろんダメになる。

勘違い)
Facebookでこんな書き込みをしていた著名人がいた。最近覗いてみると、いやいや、実に親切にコメント者に対して対話している。たまたま、このコメントが過激だっただけのようである。
「そういや、たまにボクのウォールに、上から目線で、揚げ足取りのコメントを寄せる人がいますけれど、ボクの場合じつに簡単にブロックしますので、ご注意ください。自分のウォールで会ったこともない人と論争などしたくないのです。FBは5人からのブロックでも、アカウント停止という噂もありますのでご注意を。」
3日ぐらいあとには、上記の発言に330人が「いいね!」を押していた。

この方は逆らう人をどんどんブロックするが、基本的に面白い情報を拾ってくれる。
著名人であり記事の購読者も多いので、相当に嫌なコメントを受けているのだと推察する。

が、残念ながら、このコメントには、揚げ足ととられそうな感想以外思いつかないような内容しか含まれていない。
  1. 人の意見を聞くことを全く拒んでいる
  2. 上から目線とあるが、内容ではなく、目線がどう関係有るのか。もしそれが間違いならば指摘するのがリーダではなかろうか。自分が一番上にいると思っているから、「上から目線はケシカラン」というのだとすると、危険思想にも思えてくる
  3. 揚げ足取りだとすると、指摘しないと変われない
  4. 会ったことのある人なら議論できて、会ったことの無い人の意見を聞かないのはナゼか。重要なのは、内容ではないのか
  5. 無意味な論争になったらはじめて、ブロックするではだめなのか
  6. FacebookなどSNSは双方向通信であることに価値がある。自分の主張に対する反対コメントを全部ブロックしたら双方向メディアの意味が無い
  7. 最後のFacebookのアカウント停止にからむ発言は、恐喝に近い
以前、この方の書評があった。
私は、「おもしろいですね」という趣旨のコメントを書いたら、早速返信コメントがあった。ところが、友人から、「その本の内容は別に新しいものではなく、もう何十年も前から言われている。また、最近の学説は、違う結論のものがほとんどである」と、聞いた。それを反省して、自分でいろいろ調査し、納得したので、この方のwallに、きわめて丁寧に客観的にこの報告を書き込んだ。が、全く応答がもらえなかった。

書評に突っ込むなということかもしれないが、本だって時に間違った内容が書かれている。間違っている可能性を覆い隠すのは、ある意味言論弾圧、中国共産党・北朝鮮状態だと思う。(ちょっと過激発言で済みません。。)

ひょっとしてこの方がいう「揚げ足取りのコメント」というのが、私のコメントのようなものを指しているとしたら、私は非常に危うさを感じてしまう。

別な方との議論から)
最近、別な方とFacebookと議論した、挑発的な発言から始まったのだが、最後には私信messageの交換になり親身になって丁寧に議論してくださった。そこで気づいたことを、以下にまとめておく。
  1. 人生の残りが少ないので、品位とか、そういうことにこだわっていられない
  2. 人のwallのコメントで議論しても情報発信にならず。もったいない。特にこれは、wallの先頭しか着目されないという事にも当てはまる
  3. Facebookは軽いlikeの場であり、議論の場ではない
  4. SPAM的な情報過多を招くアプリに対して注意が必要である
聞くことを無視するリーダがいるが、これは、社会を変えないといけないという、義務感が高まりすぎているのかもしれないと思った。

が、それをやると、コミュニケーション能力に長けた人、特に女性は引いてしまう。実は情報発信の機会を奪ってしまっている可能性もあり、もったいないことである。

4のSPAMアプリの件については、私は、こう考えるようになってきた。Facebookは、社会の縮図である。近況報告に利用したい人もいるだろうし、手軽にいろいろ情報発信する人も居る。もっと重くとらえている人も居る。いろいろな人が居ることを感じることこそに価値があるし、そのなかでも気の合う人とつながりが出来れば良い。

社会問題を議論したい人には、増殖するアプリがSPAMと思うかもしれない。が、そういう人にとっては、お気楽な近況発信も、おきらくなコメントもSPAMであろう。できることは3つ。
  1. 人は変えられないので、自分があわす
  2. 分かるように説得する
  3. 分からない人は切り捨てる
ケースバイケースで3つを選択すればよいのであろうが、3をやるとつながり自体も切れる。なので気持が整理できなくて、悩むのであろう。

欧米人なら、会社や医者も、だめならすぱっと切る。だめな人とは友達にはならない。当然、ダメな異性と夫婦関係を維持することなどはない。気の優しい日本人だからこその悩みなのかも知れない。

いずれにしても、暴言は、なんの価値も生まない。評判をあげるにはとてつもなく時間がかかるが、失うのは一回の暴言で一瞬である。
もしも、人の心に傷をつけてしまったら、どう弁解しようが絶対に消えない。

また、メイルでは、一旦出したものが絶対に取り返せない。
Facebookやblogでは書き込みが消せるのでまだ良いが、文字として衆目に触れてしまうと、音声以上に強烈な印象として残ってしまう。

SNSのすごさ)
SNSは軽率な面もあるが、価値も多い。
何度も書くが、技術は必ず負の側面があるので、正の側面を伸ばし、負の側面を補うのが科学技術力であると考えている。以下にも書いた。その点では、上記のコメントとは矛盾はしていない。
2012年1月2日月曜日: Hoover Damのダム湖は巨大、三峡ダムの発電量も - 世界レベルは違う。が黒4ダム時代の日本は技術立国だった
ここまで書いてきた情報は、Facebookを2ヶ月ほどやって拾い上げた情報である。草の根情報源のすごさである。Facebookをやって、自分が1皮も2皮もむけたように思う。様々な記事、情報のなかに、本当の教師・反面教師・皆さんの考え方の嗜好など、さまざまな知見があふれている。真のリーダが、これを活用しない手は無い。
見識のある日本のリーダたちは、すでに相当使いこなしている。日本は、しばらく迷走したが、ここで脱出できそうだと、自信を持って言える。

そしてFacebookでみつけたのが、以下。内容は共感でき、多くの方がShareしている。つながり=コミュニケーションの重要性が主張されている。
著作権は、「宇宙」にあります。と寛大なコメントもついていた。


これをビジネスの形に、私が、まとめ直したのが、以下である。これも著作権は「宇宙」にあります。

現場が、不可分としたのは以下のような意味である。マーケッティングも、設計も、製造(コーディング)も、育成も人任せにはしない。自分で責任を持つ。という意味です。革新的なプログラムも装置設計も、他人任せでは作れない。

商品を作る⇒顧客価値創造が第一、下請け⇒自前主義+横の連携、管理者は出世⇒職種:価値創造のサポート部隊。
そして、やりがいを感じる職場。これが、クリエィティブな価値創造につながり、大きな利益を生み出すと思う。

下請けから共生へ)
日本は自動車産業が非常に強い。アイシンAWという会社がある。トヨタに部品を供給しているが、トヨタの下請けではない。

オートマ車のトランスミッションを作っているが、これは、トヨタ車(レクサス、クラウン、カムリ等)に採用されているものもあれば、フォード、ボルボ、マツダ、オペル、サーブ、キャデラック、アルファロメオに採用されるFF用のTF-80SCや、プジョー、シトロエンに採用されるFF用のTF-70SCも作っている。強い部品を各社に供給しているのである。
Jatocoという、オートマミッションのメーカも、スズキ、日産、マツダ、三菱にオートマチックミッションを提供している。

人生訓)
でもここには、コミュニケーションの大事さが触れられていない。9.の「何事も信じ行動する」 は、独断で動けと勘違いされそうな表現である。行動することは、批評ばかりしないという意味であり、自分で手を汚す必要はない。リーダは意見集約して意思決定すれば、それで十分役目が果たせると思う。もちろん、意見集約するためには、自分で動き回る必要がある。待っていても、情報は何もやってこない。

日本では、コミュニケーション能力が、それほどに盲点なのであろうか。

2012年2月1日水曜日

雑草の中から大人物は育つ

家柄、育ちなんてものを気にしていたら、良いリーダは見つけられない。
自分は環境が恵まれていないから、学歴が恵まれていないから。それはあきらめることではなく、実はチャンスなのかもしれない。

橋下 徹)
大阪市長 橋下 徹(はしもと とおる、前大阪府知事)は、本当に総理大臣にしたいリーダである。wiki: http://bit.ly/zF1O1m にも膨大な情報が有るのは、人気がある証拠かも。

豊富なデータに基づき論駁しつつも、自分の欠点を認め、敵を完全には排除しない。新しい政治家のスタイルだと思う。人気があって、敵を排除した、小泉純一郎前首相からさらに一皮むけている。

「テレ朝の番組で北大の山口教授が橋下市長にスーパーフルボッコにされてるとネットで話題に」とある。

短い間に沢山良いことを言っているので列挙してみる。詳しくは、以下に埋め込んだビデオを。(ある意味、違法uploadなので、プレゼンキャストのタレコミで消されないうちに。。)
  • 日本の行政の最大の問題は、権限と責任がはっきりしていないこと
  • 学者は現実を見ていないで、無責任なことをいう。全然中身を知らないですね。
  • 小説家は(政治家と一緒で) 現実を見ていなきゃ本が売れないだろう。学者の本なんて全然売れないだろ
  • 民主主義は、多数の意見を尊重するから成り立つ。もちろん少数の意見にも耳を貸すが
  • 学者の発言は、有権者を愚弄した発言。学校の先生を一番評価できるのは保護者と子供
  • 国立大学の先生は自分は税金で飯を食っているという謙虚さがないですよね
  • 価値観の多様化でなかなか話が決まらない。もめたときにそれを決める決定権を与えてもらうのが選挙だ。それをダメだといったら民主主義の否定だ
  • 批判は大歓迎ですよ。意味のある批判ならかえていきますよ。住民サービスの拡充なんて、そんなの僕も考えていますよ。
以下の映像は、またもや、「タレコミ」で消されてしまったようですね。。。良い映像だったのに。。

http://www.youtube.com/watch?v=8axj-unbdbs

http://www.youtube.com/watch?v=21f_3QlOt1s



実は、大人物は、雑草の中から育っている)
すごい環境で育っているから、多少恫喝されようが、物ともしないんだろう。橋下は、テレビの討論番組等でも、大勢の反対論者に一人で立ち向かい、論駁することが多い。

橋下 徹)  http://bit.ly/zF1O1m
東京都渋谷区幡ヶ谷の六号坂通り商店街近くのアパートで幼少期を過ごした。物心ついた頃には両親が離婚しており、母子家庭の長男として、四つ下の妹を含めた三人家族で育った。
暴力団組員の父親が橋下が小学2年生の時に死亡、母親が苦労して家計を支えた。小学5年の頃大阪府吹田市に引っ越し、1年後に大阪市東淀川区に移り住んだ。いずれも、公営住宅から地元の公立学校に通った」

谷(田村) 亮子) http://bit.ly/zwtf8P - 彼女が議員になることを配慮してか、生い立ちはwebには出ていない。そうしてみると、生い立ちをwebに載せたままにしている、橋下 徹が、いかに大人物なのか分かる。

  http://bit.ly/yAs6mB
「父親は田村勝美(62)で福岡市博多を拠点とする指定暴力団の大幹部だという。
   6歳上の兄も相当な男らしい。これらのことは地元では常識だという  」

酒井法子 ) http://bit.ly/z4R4sN
父親はヤクザの組長らしい。http://bit.ly/xNJ6it

など。
http://bit.ly/xFCdqP -  芸能人にも親がヤクザの人は多いようである。

家庭環境で苦労しているから、大人物に育つのであろう。
従来日本では家庭が悪いということで差別しがちだが、悪い家庭で、まっとうに育った人のほうが、人の気持ちもわかり、度胸もすわっていて大人物なのだと思う。

芸能界と やくざのつながり)
最近、芸能界がやくざと繋がっているということが、よく問題になる。
暴力団対策法 http://bit.ly/wz9iZI で、暴力団が、公的に定義されている。これに指定されない団体は自由な活動ができる。と前期wikiにある。また、ある意味、暴力団は所定の活動ならば、国に認められ、活動許可されているとも言える。これはある種、日本が特異な点である。

http://q.hatena.ne.jp/1127829259 に暴力団が必要悪だとか、よりヒドイ悪のはびこりを防ぐなど、さまざまな視点での議論がある。

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1419595.html には、「義理と人情がある、ヤクザを取り締まったので、最近、海外マフィアが入りこんでひどいことになっている」とある。最後のヤクザの元締めは官僚というのが、興味深い認識である。

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)http://bit.ly/xy4u5y
芸能界や政界は、生活すべてが公人である。特に芸能界は、それが顕著であろう。
ファンにつきまとわれて、嫌なことも多いと思う。
そして、金を目当てに、暴力団まがいの人がすり寄ってくる。公権力が、それを阻止してくれればよいが、上記の特定暴力団。。があるように、暴力団達が、上手に活動してしまうと、あまり役に立たない。

となると、違法には違法で戦えと、どうしてもヤクザに繋がりができてくるように思う。理想ばかりを言っていても世の中は変わらない。根本原因がどこかにあるはずであり、それを理解して、そこを絶つ。政治にも、その柔軟性がほしい。
ただ、株主に突っ込まれるのがいやなので、総会屋に金を払うという会社は論外だと思う。

島田紳助がヤクザとのつながりを指摘されて、芸能活動を引退した。「解釈お願いします」と最後に言ったらしい。クビを切ったからもう詮索するなということであろう。死んだり、辞任すれば、日本は問題追及から外す。死者にむち打つなとか、ハラキリの美徳なのかもしれない。が、これでは、問題の真相に迫れない。芸能界とヤクザのつながりができるのも、名前の知れた公人達を、警察などが十分にまもってあげられていないからであろう。はらを切っても追求する。そういう、しぶとさ、こそ日本に欲しい。

http://bit.ly/IUFIxV にもあるように、「水に落ちた犬は叩け (打落水狗)」が、資本主義であり、中国、韓国の思想である。ヒューマニズムなど通用しない。甘いことを言っていたら食われてしまう。

酒井法子や谷亮子みたいに、家族がヤクザだと、ヤクザとのつながりが指摘されても、「親戚づきあいですから。。」と説明できてしまうかもしれない。(笑)

田中角栄)
小学校しかでていなかった、田中角栄が大人物だったのと同じである。コンピュータ付きのブルドーザといわれた田中角栄の伝記を読んだが、時代の流れに対して非常に鋭い感性を持ち、頭も良く、努力家で、部下に対して良い親分であったようである。

勉強ばかりしてきて、安定したお役所や一流企業にはいって安穏としましょうという人物とは格が違うように思う。

大学でも浪人、留年、退学した人物の方が大成するかも)
大学も浪人や留年をしていて逆に、大成した人の比率が多いように思う。

ほりえもん http://bit.ly/A4Bcqv も、東大入学は無理だといわれ猛勉強で入学し、結局は退学している。

Steve Jobsも大学は中退している。- 家庭環境も恵まれてはいない。
Stanford大学からの学位授与式のJobsの名演説)
http://www.h-yamaguchi.net/2006/07/jobs_2f1c.html より

「話は私が生まれる前に遡ります。私の生みの母親は若い未婚の大学院生だったため、私を養子に出すことにしました。彼女は、私が大卒者の家庭で育てられるべきだと強く考え、弁護士の夫婦と養子縁組の手配を整えていました。しかし実際に私が生まれた最後の土壇場で、彼らは女の子が欲しいということになってしまったのです。そこで夜遅くに、養子縁組待ちのリストにあった両親のところに電話が行きました。「予定外の男の赤ちゃんが生まれました。養子縁組を希望しますか?」両親は答えました。「もちろん」と。その後、母が大卒ではなく、父は高卒ですらないということを知って、生みの母親は養子縁組の最終書類への署名を拒否しました。彼女が折れたのは数ヶ月後です。両親が、私を大学に行かせると約束したからでした。これが、私の人生の始まりです。

17年後、私は確かに大学に入学しました。しかし私は、さしたる考えもなしに、スタンフォード並みに学費の高いカレッジを選んでしまいました。労働者階級だった両親の貯蓄はすべて大学の学費に消えていってしまいます。6ヶ月後、私はそこに価値を見出せなくなっていました。私は、自分が人生において何をしたいのか、それを見つけるために大学が何の役に立つのか、まったく分かりませんでした。にもかかわらず自分がここにいることで、両親は生涯かけて貯めた金を残らず使い果たそうとしています。だから私は退学すると決めました。これですべてうまくいくと信じていました。もちろん、そのときはたいへん恐ろしい思いをしました。しかしふり返ってみると、あれは私の人生で最良の決断の1つだったといえます(笑)。ドロップアウトしたそのときから、私は興味を持てない必修科目はやめて、それよりはるかに面白そうな科目に出ることができたからです。」

ストレートに入って、ぴかぴかの学歴で。。という日本のあり方には再考が必要かもしれない。挫折を知らない人間は、逆境に弱い。逆境を避けようとするので、チャレンジできない。完璧主義すぎる。人を思いやらない。失敗を人の性にする。。。など、考えられる弊害は多い。が、一番の弊害は、自分の思想に自信がありすぎること。なので、人の意見を聞くことが出来ない。本当のリーダは、さまざまな意見を聞き集約し、決断することこそが、つとめだと思う。

2011年11月24日木曜日: 老害、エセエリートの害、本当のエリートとは

にも書いた。

コミュニケーション能力がリーダに重要だというのは、以下に整理した。

2012年2月2日木曜日: リーダの条件




大企業病と恐竜との符合 - 哺乳類,昆虫型企業へ

大企業病の大企業は、良く恐竜にたとえられる。比較してみると本当に的を得ている。

大企業の価値)
体温を保つ為に、体積を大きくしたい。これは、体積は身長の3乗に比例し、表面積は身長の2乗に比例する。発熱は体積に比例し、放熱は面積に比例するので、体が大きいほど有利であるというベルクマンの法則がある。

ベルクマンの法則)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87 

ただし、低温時に活動しない昆虫などは、食料が少なくて済むので、寒冷地のほうが小さいという逆ベルクマンの法則になると言われる(上記web) ... これは後で述べる

身長を社員数。体積を投資余力(持ち金)。とすると、そのまま大企業の価値になる。
が、資金力は社員数の3乗とは関係ない。利益率の良い製品が沢山売れたかどうかで決まる。体温維持に相当する価値はなにか。社員が増えた方が特になるのはなにか。
  • 大量仕入れ、大量販売によるコストダウン
  • ブランドイメージ 
  • 特定業種が不調でもつぶれないこと、すなわち会社存続の可能性が高い安心感
  • 大企業はつぶれないので、その安定感を狙って優秀な社員があつまる(日本や中国、インド人はこれを好む模様、詳細はDropboxと兼ねて紹介する)
日本のみならず、消費者が有名大企業の製品を選ぶ傾向は、ドイツでも強いらしく、ベンチャーが育たないらしい。どちらも堅実な国民性で有名なので。関係ありそうである。ならば、ベンチャーは、そうでない国をターゲットにして、まず成長すれば良い。

Appleの場合)
http://bit.ly/zqhfjg にあるようにApple社は、2011最終4半期に、米企業の最高収益(earning)記録を更新。その前の四半期のほぼ倍。クリスマス商戦やJobsの訃報も味方したとはいえすごい。国家のGDPにすると世界の46番目に相当する(米国の記事は、国家予算と比べたり、GDPと比べたり面白い物とAppleを比べますね。) 顧客の新たな価値を創造するのが、収益に貢献するのが分かる。

その背景には、徹底的な顧客価値の追求と同時に製品ラインの絞り込みがある。会社が大きくなっても、製品数が増えたら十分なメリットが得られない。

2011年11月13日日曜日: Appleの製品数はとても少ない


Appleは良くM&A(企業買収)をする。が、製品を増やすのではなく、技術だけを統合していく。
VMwareの共同創業者であるProf. Mendel Rosenblumが行っていた。「VMwareのソースコードは最初は主張があってとても綺麗だった。が、他社から思想の違う社員が入ってきて、いろいろな流儀が混ざるにつれ、コードは汚くなっていったので、何度も書き換えをやった。」、努力をしないと、製品が劣化するということだろう。Appleは、MacでもiOSでもすべて、Objective-CというNext Step時代に開発された言語を使っている。これは単なる言語を超えており、MVC(Model View Controller)というグラフィックユーザインターフェース(GUI)の設計理念まで包含しており、専用のXcodeという設計ツールも、常時進化している。
MacもiPhoneもiPadもiPodもAppleTVも全て同じ言語環境会社、ツールで開発できるばかりか。Mac以外はiOSということで、OSもその上に乗るアプリケーションですら統合されている。
ここまで製品系列の絞り込みに神経を使っているのである。それが、Appleの自社価値追求にもつながり、時に横暴とも思えそうな、新たな価値の押しつけをすることになる。たとえば以下のような事である。これが、Appleが嫌いを生む理由であろう。絶対価値追求をするホンダも似たところがある。八方美人でないほうが、イノベーションを生むのであろう。

2011年11月1日火曜日: Mac OS-X Lionで従来と変わったこと

ホンダについて) 2011年12月20日火曜日: ベンチャーを育てるシリコンバレー、ホンダは凄い


もちろん製品数をただ絞っても売り上げは支えられない。売れる製品を作るためには、徹底した顧客価値の追求がある。以下に書いた。

その背後に流れるSteve Jobsの思想にも学ぶところが多い。以下に書いた。

2011年10月6日木曜日: Steve Jobsよ安らかに眠れ


以下に書いたように、優良企業には、思想に基づいた組織構造があり、良いリーダがいる。これも重要になる。

2011年10月11日火曜日: AppleとMicrosoftを比較すると


これらを学ばないで、単に図体を大きくしてもうまくはいかないだろう。

なぜ大企業病の大企業はうまくいかないのか)
大企業でもうまくいっている企業もたくさんあるので、「大企業病の」と、分類する。

よく言われるのが、「図体が大きく鈍重で、世の中の変化についていけない。」これは、恐竜が気候変化で絶滅した理由とも言われている。

が、符合する点はまだまだある。
  1. は虫類であり、卵を産みっぱなし → 社員教育をしない。部下が育たないので権限委譲できない
  2. 体が大きいので沢山食べる → いろいろなコスト部門を抱え、高コスト体質である
  3. 農工・牧畜をしないので、えさを食い尽くす → 他社のモノマネ製品を作るので、利益率が低く、新技術に投資しないので、ジリ貧になる
  4. 体の割に脳が小さいので頭が悪い → 経営が末端からの技術情報を性格に把握できない。良くあるのは、コンサルとか業界紙、業界の有力者の情報にたよることである。その道の専門の社員を育て、そこが握る最新情報を信用すればいいのに、それができない
  5. 冷血動物である → 具合が悪くなると、コストダウン、リストラに走る。これまで頑張ってくれた社員を冷血にも切り離す。社員の信頼を失い。社会の信頼も失う
これらを生む理由)
大企業になると足をすくわれることが多いということがある。
大企業の社内から製品発表の噂が漏れたのため競合他社の製品を買い控え競合他社がつぶれた。この漏れた噂の製品が実際に発売されず、訴訟になったり、独禁法違反で提訴された例が、米国にはある。Microsoftと競合他社の係争がそうである。
それもあるし、驚きを与えたいという意味もあり、Appleは極度の秘密主義にでており、発表後の製品関連の情報であろうが、口外すると社員は解雇されるらしい。
日本でも、本来開示すべきでない情報が良く先に漏れている。それでもインサイダー取引等で訴えられることは少なく、独禁法の適用もあまりない。秘密主義を徹底しようとすると、取る対策は4つ。
  1. 幹部以外には情報を漏らさない。社員には新聞発表など公開後に初めて知らせる
  2. 情報を漏らすと社員を懲戒にする
  3. 社内情報の管理を徹底する。いわゆる情報セキュリティ強化。メイルのフィルタ。っ社内からのwebアクセスの禁止などであろう
  4. 社員と目的意識を共有し、社員の管理意識をあげる。教育により情報リテラシをあげる。それでも漏れた場合はしょうが無いとあきらめる。会社は共同体なのだから
調子の悪い大企業は、1,2,3をやる。Appleも1,2,3のようである。が、Dropbox等の会社説明会をみていると、4に重きを置いているように思う。昔の日本企業も4であったが、どうも最近は、米国の悪しき大企業のマネをしたのか1,2,3に近づいているように思う。

コダックの例)
時代についていけず、破産申告をしたコダック。いろいろな意味で示唆に富んでいる。試行をしない完璧主義、保守性、経営の迷走、株価への過剰な配慮。調子の悪い企業で行われていそうな話である。それなのに、問題に気づかない。
社内で共有される情報は、自分に都合のよい情報ばかりになるのであろう。もちろん、批判的なもの暗いものばかりではモチベーションがあがらないので、勇気づけるのは重要である。しかしそれも、真実の解析いわゆるPDCA(Plan Do Check Action)が回っていてのうえであろう。これが、恐竜の恐竜たる所以である。

JBPress - 瀕死のコダックと飛躍する富士フイルム)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34331

NECの場合)
2012年1月にリストラを発表し、netなど一部で話題になっているNECと関連子会社。
半導体部門を切り離して、三菱、日立と合併しているが、この半導体技術も少し前までは、すばらしかった。
迷走が始まったのは、トップダウンと早い意思決定が標榜されだした時代。米国のダメな大企業のやりかたをマネしたのでは無いのか、とも思えてしまう。以下に書いた。

2012年1月15日日曜日: IntelとARMの戦いの予想: Intel TriGate Trのすごさ


IBMの場合)
http://diamond.jp/articles/-/5625 などにもあるように、ルイス・ガードナーは、1993年にIBMの会長兼CEOに就任し、わずか数年で同社をV字回復させた経営者である。
が、私はStanford大のProf. John Ousterhout が言う、「IBMも普通の企業になってしまった。」に賛成である。IBMはMain Frameの360など画期的な製品を作ってきたが、最近のIBMの製品で画期的だというものが思い当たらない。自分で何かを作り出すよりも、人のアイディアを実現するSIの会社になってしまった。
ThinkPadとかHDDを身売りしてSIをやっている。難解なクイズJeopardyを解いたWatsonにしても力尽くでやったというだけで、あれが商用になるとも思えない。
学会に来るIBMの研究者にしても、自分の研究に自信満々で、他人の研究に対して横柄な質問をする人が多い。Facebook, Google, Appleに比べると、格下になったように思う。

頭が悪くなる理由)
特に昨今の日本では、リーダシップに対する誤解があるように思う。スピード感のある経営をというのは良いが、方法論が間違っていて、以前の日本にあった美徳ばかりを失っているように思う。以下に書いた。

2012年2月2日木曜日: リーダの素質


失敗の本質)
「失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)」: http://amzn.to/yQEY5x
池田信夫blog) http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51692957.html
に、福島原発事故に流れる、旧日本軍体質を指摘している。が、これは、具合の悪い日本の大企業にもいえる。引用すると。
  • 戦力の逐次投入:戦略目的が曖昧なため戦線の優先順位が決まらず、兵力を小出しにして全滅する――最初から海水を注入すれば炉内の圧力上昇を防げたかもしれないのに、1日遅れでベントを始め、水素爆発してから海水注入を始める。 
  • 短期決戦のスタンドプレーを好む指揮官:太平洋戦争は「敵を一撃でたたけば戦意喪失して降伏する」という主観的な見通しで開戦した――原発事故の起きた翌日に首相が発電所に乗り込んで、ベントが6時間遅れた。 
  • 補給を無視した人海戦術:太平洋戦争の「戦死者」300万人のほぼ半分が餓死だった――原発の作業員は1日2食の簡易食糧で水もろくに飲めず、夜は雑魚寝。 
  • 縦割りで属人的な組織:子飼いの部下ばかり集めて意思決定がタコツボ化し、「空気」が支配するため、総指揮官の暴走を止められない――「統合連絡本部」をつくるまで4日もかかり、各省ごとに対策本部が6つも乱立。東電にどなり込む首相を誰も止められない。 
  • 情報の軽視:第二次大戦で使われた日本軍の暗号は、ほとんど米軍に解読されていた――東電と保安院と官房長官がバラバラに記者会見して一貫性のない情報を流し、首相の演説にはまったく中身がない。 
  • 「大和魂」偏重でバランスを欠いた作戦:インパールのように客観的に不可能な作戦を「勇敢」な将校が主張すると、上司が引っ張られて戦力を消耗する――使用ずみ核燃料にヘリコプターで放水する無駄な作戦を「何でもいいからやれ」と官邸が命令し、かえって国民を不安にする。
昆虫型、ないしは、哺乳類型企業の時代)
 昔の考え方だと、大企業にすれば強くなるということである。が、本当であろうか。逆ベルクマンの法則のように、具合の良いときだけさっと活動して、冬眠するないしは寿命がつきる昆虫のような企業活動。ないしは、環境対応性の良い哺乳動物のような企業活動はできないのだろうか。

おそらくはYesである。Drop boxは、75人しか社員がいないのに、Amazon EC2というインフラコストがかからない環境を利用してビジネスを行っている。
2005年にMITを卒業したDrewを中心に。MITを中退した人と2人で2007年に設立。2008年に9人の設計者で開発開始。
会社はSan Franciscoにあり、社員はスタッフも含め全社員が75名しかいない。2011年に現在4500万ユーザがおり、3日で、1Billionファイルが転送され、ピークで10Mトランザクションが走る。社員のモチベーションも極めて高く、皆理想に燃えている。

Dropboxなどベンチャーの詳細は、以下に書いた。

2011年12月20日火曜日: ベンチャーを育てるシリコンバレー、ホンダは凄い


Facebookも若者文化であり、昆虫的な動きをする企業に思う。

2012年5月5日土曜日: Facebookの社風: 若者文化


企業の永続性よりも、Fan、ハックすることを重視する。

超高速なNetworkスイッチで有名なFulcramも総勢150名ほどの企業である。が、自社装置専用のLSIまで設計している。大企業で無ければ製品が作れないとは妄想だと思う。

これが、新たな時代の昆虫型ないしは哺乳類型企業ではなかろうか。

社員は、楽しく効率良く働ける場所があれば良い。投資家も投資が効率良く回収できればよい。企業という入れ物が永続して嬉しいのは、既存構造の上に安穏とあぐらをかいていて生産に寄与していない、一部の人たちだけでは無いのだろうか。
まじめに働きたい人にとって、入れ物はなんでもいいので、楽しく効率良く働ける場所が、新たに沢山生まれてくれた方が嬉しいように思う。

日本政府は、大企業に税金を注入して支えているように思えるが、大企業は資金力があるはずなので放っておいても大丈夫なはずである。それをし続けないとならないのは、その企業がなにかおかしく、税金の無駄である。それよりは、生まれたての弱い企業こそ、支援すべきだと思う。以下に書いた。


日本人の美徳)
日本人には、気配りという、同じアジア人でも、中国人やインド人にない優れた特徴がある。人の気持ちを察することができるのである。中国人と話をすると、PhDを持った人でも、思い込みが激しくて、話を通じさせるのに本当に苦労したことが何度もある。台湾は占領時に日本文化の影響を受けているので、そういうことは無いと思うが。
また、中国本土やインドの人は、長い領土闘争で築かれた文化なのか、自己本位で自己主張がきわめて強いように思う。
日本のすばらしさは、以下にも書いた。

2012年3月5日月曜日: 日本のすばらしさ - 日米比較


大企業でないと困るか)
大企業は、それ自体で、福祉システムになっている。上手く回らなくなった事業とか、適応できなくなった人を囲い込んで、失業者の増大を防いでいる。
が、良く聞くのは、「事業に貢献しないで、金だけを持っていくのは良い。が、無駄な仕事を増やさないでほしい。」という、本当に稼ぐ人たちからの叫びである。

企業は永続性を唱え出すと急にしがらみが多くなって、仕事もつまらなくなると思う。

Dropboxをみると、障害のある人たちも雇っている。そういう業務は必要だからであろう。

日本人は、上記の気配りもあるし、とりわけ勤勉である。(昨今は、「楽してxxx」と、瞬間的に極意が取得できるというたぐいの本が沢山書店に並ぶように、この勤勉さが失われているのが気になるが。)


本来の日本人らしさを取り戻せば、技術のプロにもなれるし、少なくともサービス業では、活躍できる。

大企業で、囲い込んでもらい、養ってもらう必要などはないはずである。

まとめ)
恐竜は2億3000万年前に現れ、6500万年前に絶滅した。http://bit.ly/KwC9Cd
一方、ゴキブリは3億5千万年前から、今に至るまで繁栄している。http://bit.ly/KwCncB
ちなみに人類(ホモサピエンス)は、高々40万年の歴史しかない。ヒト族としても200万年である。http://bit.ly/KwCwg1

ゴキブリは、ひとつひとつは小さくて、踏みつぶされることがあるが、環境適応力が高く、種としては繁栄し続けている。最近の米国のITベンチャーの多くは、このタイプに思う。

踏みつぶされないが、環境適応力の弱い恐竜よりは、ゴキブリ的な企業が、走りまわる時代になりつつあるのではなかろうか。半導体ラインとか、恐竜型の大型投資でないと作れない製品もある。が、それ意外では、恐竜のまま戦うのは、ムダが多く、努力が報われない可能性が極めて高い。

どういう企業構造でどこを攻めるか、いまこそ再考した方が良い。政府もそれにあわせて、産業育成をしていくべきである。既存大企業の利権集団である、経団連のいうことなど当てにしていたら、おかしな方向に話が行くに決まっている。